20/09/21

人は過去の奴隷なのか。時折、そんな疑問が頭に浮かぶような場面に直面する。なるほど、それはそうかもしれない。しかし恐らく、過去のくびきから逃れる方法が、ただ一つだけ存在しているのではないか。 それはつまり、過去を内省するということである。過去…

20/09/17

晩夏、または秋の訪れ。夏の終わりには既に秋の始まりが含まれているのが常である。季節の変わり目にはよく体調を崩す。私は今朝体調を崩したばかりだ。で、そんな状態で、近くのコンビニへコーヒーを買いに外に出ると、ふと涼やかな風が、陰鬱に染った曇り…

20/09/15

物語の終わり、それは常に物語の中盤に内在している。しかし、私達を魅せる物語とは、いつだってその終わりを予測させないものである。 それは感動の作用というものが、いつも不意に訪れ、後ろから突き刺すようにこちらを襲うものだからでもある。たとえばあ…

20/09/09

食事を摂るのは何故こんなにも面倒なのか。毎朝、目が覚める度にそう思う。 私は基本料理をしない。誰かといる時ならするかもしれないが、一人でいる時は絶対にしない。普段の食事は買って済ませている。菓子パン、コンビニのおにぎり、カップ麺。この四年間…

20/08/07

先日、久しぶりに映画館に向かった。本当に久しぶりのことである。記憶が正しければ、最後に行ったのは『ハウルの動く城』で、だとすれば約十五年ぶりとなる。父と兄と私の三人で見にいったのを覚えている。昔から、映画が好きにも関わらず、何故か映画館で…

20/09/03

小学生の頃の話である。学年がいつかは忘れたが、ある日の昼食後、私はその日の給食を、トイレの小便器に吐き出したことがある。無論、小便器では嘔吐物は流れない。だから、やがてその吐き出された給食の発見者が現れてきた。下校前になれば、クラスのホー…

The Smiths - Heaven Knows I'm Miserable Now (和訳)

I was happy in the haze of a drunken hour酔っている時は幸せだったBut heaven knows I'm miserable now天国はどれだけ僕がみじめかを知っているI was looking for a job and then I found a job仕事を探して、そして見つけたAnd heaven knows I'm miserab…

20/08/28

先日のことである。深夜に何故か、突然セブンイレブンのカツ丼が食べたくなった。で、住んでいる街にあるセブンイレブンを三件ほど渡り歩いた挙句、最後の一件でようやく目的の代物が手に入った。が、しかし食べ始めてみると、期待してた程にそれが美味しく…

20/08/25

ふと思うことだが、何やかんや言いつつも、私は家族を愛しているらしい。先日、偶然にも自分の兄についてを話す機会に恵まれた。その時、私は自分の心が多少なりとも高揚していることに気がつき、それに驚いたのである(入社一年目にして全国新人成績二位など…

20/08/22

私の内には、ある密かな欲望が存在している。それは、他人を失望させて、それに快楽を見出したいという欲望である。 時折、次のような妄想をすることがある。自分が周囲から、何か聡明で、物腰柔らかで、教養高い若者だと見られているとする。おまけに顔も悪…

20/08/18

人と映画を観ることが、最近私の趣味になりつつある。映画はいい。映画を観ると、人は自ずと(たとえ他の誰かと観ていても)映画と二人きりになる瞬間を一度は持つこととなる。それは、一時的であれ孤独に向き合う瞬間にもなるということだ。孤独になれば、人…

20/08/17

『ヴェニスに死す』は概して美と道徳の相克を描いた小説だと言える。芸術的な美は、常に一般常識の皮をひん剥いた所にしか存在しない。作中に現れる青白い肌をした美青年タジオは、そのような芸術的な美の象徴とも言える存在である。対して、主人公のアッシ…

20/08/14

「スピノザは希望も、勇気さえも信じていなかった。彼は喜びしか、洞察する視力しか信じなかった。他の人々が彼の生き方に構わないでいてくれれば、彼は他の人々の生き方に構わなかった。ただ霊感を与え、目を覚まさせ、物が視えるようにさせてくれること、…

20/08/10-11

子供の頃、私はヒーローに憧れていた。ウルトラマンとか、少年漫画の主人公とか、そういう存在に。十代になれば、ロックスターとか、カナダの奇抜なピアニストにも憧れた。ただ、憧れがいつだってそのままなりたいものであるとは限らない。ヒーローに憧れつ…

20/08/07

「哲学は、絵画や音楽と同じように、創造的芸術だと、私には思われる……」 全てのものはただ一つの実態( = 自然)の延長にあり、この世のあらゆる存在は、その唯一なる実態が無限に変化し、変容し、多様化した末に発生したものである。これがスピノザの有名な…

20/08/04

「大抵の人にとっての知性とは、反応が鈍くて陰鬱な、油切れして操縦のしづらい機械だ。彼らは、この機械を働かせてよく考えようとすると、『真面目に考える』という言い方をする。そう、よく考えることが、彼らにとっては苦痛なのだ。愛すべき動物たる人間…

20/08/03

現代、それはSNSの時代である。私達の世代にとって、インターネットとは第二の現実だと言えよう。しかし、それがとても恐ろしい事のように思えることがある。 たとえば朝起きて、ふと自分の枕の横を眺めると、そこには私のスマートフォンがある。画面の上に…

20/07/31

今の私は、はっきり言えばちゃらんぽらんな人間だ。社会的な身分もないし、未来も不安定である。何かを成したいとか、このままではいけないと焦る理由には、私の名誉心の問題や、このまま腐ることへの恐れもあるが、何より他人に誇れる社会的な身分が欲しい…

20/07/27

ベルクソンは哲学的な方法の一つとして、直観に重きを置いた。が、初めてその考えに触れた時、(恐らく多くの読者がそうであったように)流石に「直観」を手段とするのはあまりにも漠然としているというか、曖昧すぎはしないかという気持ちを抱いた。しかし、…

20/07/24-25

私達はそれぞれがそれぞれ、自分の生きるべき場所を探している。若い内は特にそうだ。自分の生き場所を探し、時には既にそれを見つけているかのように振る舞う。しかし、本当に自分の行き場を見出している人間は極小数で、大抵はそうであるかのように見せか…

20/07/21-22

暗い部屋。鍵のかかった個室。狭く、誰もいなければ、窓もない。殆ど完全に外界から切り離された場所。最近のネットカフェは、そんな環境を私達に提供してくれる。そして、それは私が今、この文章を書いている場所のことでもある。 時折、意味もないのに、ネ…

20/07/18-19

私達には始まりもなければ終わりもない。それは丁度、生まれた意味がはじめから与えられたものではなく、むしろ後から見出されるのと同様である。私達の「始まり」は、私達が生きていく過程で、後から見出される。見出されるもの、それは発明されたものでも…

20/07/16

気流と気流がぶつかり合うことで、また新しい風の流れが生じる。このように、この世界の根底にあるのは、力と力とのぶつかり合いであり、力の、力との関係である。 あらゆる力は、他の力との比較、差異の中にしか存在しない。よって、一つの力とは、常に自己…

20/07/11

過去を振り返るには二つのやり方がある。一つは過去を過去形(過去そのもの)として振り返ることで、もう一つは過去を現在形で(現在の出来事として)考えることだ。 私達の人生には、説明のつくことよりも、説明のつかないことの方が遥かに多い。しかし、それで…

20/07/08-09

歳の若い人間として当たり前なことではあるが、私には経験していないことが沢山ある。中には、敢えて避けてきた経験もある。それは私が真面目だからなのか、それとも単に臆病だからなのか。恐らく、後者が真実なのだろう。私は人一倍臆病な性格をしているか…

20/07/05

先日、友人達と集まって話している時のことである。その内の一人が、願い事がよく叶う神社が近くにある、との話をしてくれた。彼自身も時折そこに願掛けをしに行くらしかった。そして、普段は微塵も興味がないにも関わらず、思わずその場に向かいたい気持ち…

20/07/02

昨日、友人の家で『トレインスポッティング』を観返した。果たして何度この映画を観たか、それはわからない。ただ、これを観返すのが数年ぶりであることは知っている。私が初めて『トレインスポッティング』を観たのは高校生の時であった。そして、あの頃の…

20/06/30

苦悩すると、人はその苦悩の責任と原因となるべき存在を求めようとする。そして、このように苦悩に満ちた人生はあやまちであり、間違ったものであり、救済され、償われるべきものであると考えるようになる。人によっては、苦悩を深め、益々苦しむことで、自…

20/06/27

ここ数年間で最も印象に残っていることといえば、やはり二年前の日々の出来事である。今日、私は友人と共に互いの過去についての話をした。その際、私の口から真っ先に出たのは、あの過ぎた日々の記憶であった。 20/04/26の日記でも既に触れたが、あの頃、私…

20/06/23

思弁的なレベルで言えば、あらゆる問題は提起すれば必ず答えを出るようになっている。というのも、答えを想定して問題は設定されるからだ。では、同じ問題を堂々巡りして、いつまでも解決が見えないという現象は、何故よく見られるのか。それは、そもそも問…