20/11/23

ドゥルーズには三つのベルクソン論がある。一つは一九六六年に発表された『ベルクソニズム』で、あとの二つは彼の死後発表された『無人島』に収録されている短い論文だ。どちらも一九五〇年代に発表されている。で、その二つを読んだ後に上の『ベルクソニズ…

20/11/20

夜、薄明かりの部屋の中。私は何故自分がこうなのかを考えていた。 私の性格には面倒くさがりなところがある。床の上には本とか、脱ぎっぱなしの靴下とかが沢山散らかっている。ベッドの下など本当に酷い。私には、寝る前にベッドの上に読みたい本を山積みに…

直観力批判 / 潜在性とドラマ化の問題

批判の定義 批判とは何か。先ず私達は、批判という行為を非難や否定から明確に区別したものとして定義付けなければならない。何故なら、非難や否定といった態度には、常に相手への頭ごなしな(偏屈めいた)拒絶が伴うからだ。それに対して批判とは、対象の欠点…

20/11/14

生きる上で、人は何らかの形で妥協を強いられる。そして、妥協は常に二つの感情のどちらかに繋がる。つまり、諦念か恥じらいか、そのどちらかだ。 困惑。時折、知人や友人から「いいひと」だと形容されることがある。それは有難い話なのだが、私としては、よ…

20/11/11

個人的に好きな映画に共通する特徴の一つとして、カメラの動きが少なく、音数もまた少ないという点が挙げられる。しかし、これらの要素は鑑賞者側に冷たい印象を与える場合も少なくない。だが、だからこそ私はそれを愛するのだと言っていい。何故か。動きと…

20/11/07

責任の問題、それは責任を負うべきものを見出された時にのみ生じる。人は動くというよりかは動かされるものだ。だから少年時代にしたことで、かつてはそうは思わなかったが、内省するうちに罪としか思えないようなことをしてしまったという意識に苛まれるこ…

20/11/03

はじまり。それはあらかじめ失われる運命にあるものである。たとえば私は、今日までにそれなりの量の本を読んできたつもりであるが、それでも自分が初めて読んだ本のことなんてまるで覚えていない。しかし、ある日これまでにないような読書体験をして、そこ…

理性と自意識にまつわる試論 ─ 超越論的経験論について

認識について/自我はいかにして発生するか 何かについて認識する時、人は自分の外部を見ると言うよりも、むしろ自分の内部を見ている。「これはこうだ」とか「あれはああだ」という出来事の認識は、まさに自分の中でそれを整理しているからこそ生じる。そし…

20/10/31

不安に駆られると、それを忘れさせるように睡魔に襲われる。まるで機械の不調を再起動で整えるかのようだ。しかし、眠りはいつも浅い。大体二、三時間ごとに目が覚める。そして自分が眠っていたことに気がつき、驚くのであるが、また少しすると眠りに落ちて…

20/10/29

時々、私のブログを読んでくれている方に出会う。または、知人友人の中から「読んでます、面白いです」と言ってくれる方に出会うこともある。大体、月に二、三回くらいそういう話をされる。とても有難い話だ。 ただ、私としては少々照れるというか、恥ずかし…

20/10/25

ドゥルーズの生涯には「空白の八年間」とも呼ぶべき時期が存在する。その処女作であるヒューム論(『経験論と主体性』)を発表してから、その後に続く八年間、彼は一切の著作を発表せず、ただただ沈黙を保ったのである。「空白の八年間」を終えると、彼は初期…

20/10/22

喜びにも幾つか側面があるだろうが、その内の一つとして、自分の持てるものを満たすことの喜びがあるのは間違いないことだろう。たとえば散歩。私は歩くのが好きで、よく深夜に宛もなく街を徘徊したりするのだが、この時に私が感じている喜びは、自分の身体…

20/10/18

……夜になれば、蛾はランプや電灯の周りを飛び回る。が、一体何故彼らがそうするのかは誰も分からない。少なくとも、蛾の登場が人類の誕生以降であるのは間違いのない事だろう。もし蛾が人工の灯り以外にも反応するのだとすれば、彼らはもうとっくの昔に月に…

20/10/15

「長い間太陽の運動について思い違いをしてきたように、人々は今なお、来るべきものの運動について思い違いをしています。未来はじっとして動かないのです、カプス君。しかし私達こそ無限の空間を動いているのです。」 クローン羊のドリーを覚えているだろう…

20/10/12

「ニーチェの内では、至福感と抑うつ状態が代わる代わるに現れるのだが、その間隔は次第にますます短くなり、目まぐるしくなってくる。ある時には一切がこの上なく優秀に思われる。彼の仕立て屋も、彼が食べるものも、人々が彼を迎えてくれるさまも、店内に…

20/10/08

「……しかも、こうした追憶を持つだけなら、一向なんの足しにもならぬのだ。追憶が多くなれば、次にはそれを忘却することが出来ねばならぬだろう」 プルーストの『失われた時を求めて』の冒頭において、語り手が紅茶にひたしたマドレーヌを口にすることによっ…

20/10/05

私にはいつか、ある特殊な自伝を書いてみたいという気持ちがある。つまり、私の体験した出来事とか、自分と誰かとの過去の思い出とかを書くのではなく、私が今日までに出会った作品、または私が今日までに愛したことのある作品についての自伝を書きたいので…

20/10/01

ベルクソンに由来する哲学の特徴として、差異の肯定というものがある。つまり、違ったものであることは喜ばしいことであり、差異は常にある種の新しさをもって現実に提示されるものだ、という主張である。では、この主張の新しさは、一体どこにあったのか。…

20/09/29

自分自身であることの苦しみ。街ゆく人々を眺めていると、私には、皆がそのような苦しみを負っているよう思われる。では、それが苦しいのは何故か。恐らく、それはどんな人でも自分自身からは逃れられないという、まさにその点にあるのだろう。 時折、自分自…

20/09/24

男は男で固まって、「女にろくな奴なんていない」と言う。女も女で集まって、「男にろくな奴なんていない」と言う。双方ともに大きな誤解をしている。男にも女にもろくな奴なんてそうそういない。ただ、どんな人にも必ず愛すべきところがあり、そしてだから…

20/09/21

人は過去の奴隷なのか。時折、そんな疑問が頭に浮かぶような場面に直面する。なるほど、それはそうかもしれない。しかし恐らく、過去のくびきから逃れる方法が、ただ一つだけ存在しているのではないか。 それはつまり、過去を内省するということである。過去…

20/09/17

晩夏、または秋の訪れ。夏の終わりには既に秋の始まりが含まれているのが常である。季節の変わり目にはよく体調を崩す。私は今朝体調を崩したばかりだ。で、そんな状態で、近くのコンビニへコーヒーを買いに外に出ると、ふと涼やかな風が、陰鬱に染った曇り…

20/09/15

物語の終わり、それは常に物語の中盤に内在している。しかし、私達を魅せる物語とは、いつだってその終わりを予測させないものである。 それは感動の作用というものが、いつも不意に訪れ、後ろから突き刺すようにこちらを襲うものだからでもある。たとえばあ…

20/09/09

食事を摂るのは何故こんなにも面倒なのか。毎朝、目が覚める度にそう思う。 私は基本料理をしない。誰かといる時ならするかもしれないが、一人でいる時は絶対にしない。普段の食事は買って済ませている。菓子パン、コンビニのおにぎり、カップ麺。この四年間…

20/08/07

先日、久しぶりに映画館に向かった。本当に久しぶりのことである。記憶が正しければ、最後に行ったのは『ハウルの動く城』で、だとすれば約十五年ぶりとなる。父と兄と私の三人で見にいったのを覚えている。昔から、映画が好きにも関わらず、何故か映画館で…

20/09/03

小学生の頃の話である。学年がいつかは忘れたが、ある日の昼食後、私はその日の給食を、トイレの小便器に吐き出したことがある。無論、小便器では嘔吐物は流れない。だから、やがてその吐き出された給食の発見者が現れてきた。下校前になれば、クラスのホー…

The Smiths - Heaven Knows I'm Miserable Now (和訳)

I was happy in the haze of a drunken hour酔っている時は幸せだったBut heaven knows I'm miserable now天国はどれだけ僕がみじめかを知っているI was looking for a job and then I found a job仕事を探して、そして見つけたAnd heaven knows I'm miserab…

20/08/28

先日のことである。深夜に何故か、突然セブンイレブンのカツ丼が食べたくなった。で、住んでいる街にあるセブンイレブンを三件ほど渡り歩いた挙句、最後の一件でようやく目的の代物が手に入った。が、しかし食べ始めてみると、期待してた程にそれが美味しく…

20/08/25

ふと思うことだが、何やかんや言いつつも、私は家族を愛しているらしい。先日、偶然にも自分の兄についてを話す機会に恵まれた。その時、私は自分の心が多少なりとも高揚していることに気がつき、それに驚いたのである(入社一年目にして全国新人成績二位など…

20/08/22

私の内には、ある密かな欲望が存在している。それは、他人を失望させて、それに快楽を見出したいという欲望である。 時折、次のような妄想をすることがある。自分が周囲から、何か聡明で、物腰柔らかで、教養高い若者だと見られているとする。おまけに顔も悪…