覚書

『差異と反復 - はじめに』に対する個人的な注釈

『差異と反復』のアメリカ版への序文の中で、ドゥルーズ自身は次にように書いています。「……私を襲い熱狂させたヒューム、スピノザ、ニーチェ、プルーストを研究したあと、私は「哲学すること」を試みたのだが、その最初の著作こそ『差異と反復』であった」…

【ドゥルーズ哲学紹介】

※先日行った読書会向けに用意したもの。せっかくだからここにも載せとこうと思う。 ドゥルーズはかつて「哲学者とは哲学者になるもののことだ」と述べたことがある。フランスの哲学者ジル・ドゥルーズ(1925-1995)の特徴は、この「何かになる」過程に注目した…

事件、心的外傷、表象 = 再現前化 (ドゥルーズ哲学に対する私的な文章)

人は心的外傷に基づいてを思考を始める。ある人の考え方を知ることは、そのままある人が受けた傷跡を知ることでもある。ラ・ロシュフコーの箴言に次のようなものがある。「哲学は過去の不幸と未来の不幸をたやすく克服する。しかし現在の不幸は哲学を克服す…

理性と自意識にまつわる試論 ─ 超越論的経験論について

認識について/自我はいかにして発生するか 何かについて認識する時、人は自分の外部を見ると言うよりも、むしろ自分の内部を見ている。「これはこうだ」とか「あれはああだ」という出来事の認識は、まさに自分の中でそれを整理しているからこそ生じる。そし…

永劫回帰にまつわる覚書

眠れない夜。もう幾度目かもしれない寝返りをうちながら、閉じても落ちることのない暗闇の中、私は瞼の裏を眺めていた。ふと思い立ち、本を開く。これまでに読んだことのない本だ。それをぱらぱらとめくりながら、その文体の美しさに気が付き、驚き、はっと…

ニーチェとこの世界

序 今、何故、ニーチェを読むのか。十九世紀において、ニーチェは既に来るべきニヒリズムの時代を予言していた。そして二十世紀、ついにニヒリズムの時代は訪れた。しかしその一世紀が過ぎた今なお、ニヒリズムの時代は我々のもとを去らない。否、現代人と現…