20/07/31

 今の私は、はっきり言えばちゃらんぽらんな人間だ。社会的な身分もないし、未来も不安定である。何かを成したいとか、このままではいけないと焦る理由には、私の名誉心の問題や、このまま腐ることへの恐れもあるが、何より他人に誇れる社会的な身分が欲しいからというのがある。気分としては、妻のためにファミリーを合法化させたいマイケル・コルレオーネのそれに近い。自分で言うのもなんだが、私にはやや理想家気質なところがある。自分の理想に諦めがつけられないから、結局今日までこんな風にちゃらんぽらんな身分であり続けてきたわけだ。

 昔から、家庭を持つことを憧れの一つとして抱いている。何も子供が欲しいとまでは言わないが、生涯変わらぬパートナーは欲しい。私は落ち着きたいし、(こう言ってよければ)自分の墓場となってくれる存在が欲しいのである。

 だからいつかはっきりとした身分を持つことが出来れば、たとえば誰かと結婚する時、相手の両親とか、そういった存在にも恥じることなく自分を紹介できる。し、円満な生活を送ることも出来る。裕福な暮らしが出来るかはさておき、最低限、相手を養うことも出来る。現状から抜け出したい一番の理由は、やはりそれに尽きる。

 もう長い間、私には忘れ得ない相手がいる。しかし、今日まで何やかんやとその人に再び声をかけられずにいる理由は、私の自信のなさにもあるが、それ以上に相手との未来が見えないということにある。言い過ぎかもしれないが、私と彼女では、あまりにも生きる世界が違いすぎる。正直に言って、上手くいく気がしないし、私には彼女を幸せに出来る自信が無い。彼女はとても内気な性格をしている。私にしても内気なところはあるが、それと同じくらいにだらしないというか、元来の好奇心の強さから、変な遊びをしたりもする。私の自由気ままで、自分勝手なところを許してくれるのか、わからない。おまけに、彼女の両親も厳しい人らしい。ただでさえちゃらんぽらんなのに、真面目な、厳しい人達を前にしたら、私のだらしなさは更に浮き彫りになってしまう。

 それでもやはり、今日まで諦められなかったのには理由がある。結局、今の私には、彼女以外に愛せる人間がいない。この通り、私は孤独な人間だ。世間一般の性愛のしきたりに馴染むことが出来ない。そんな私にも、友達になれる人なら多くいるが、愛し愛されたいと願える相手は、いつだってごく僅かである。

 彼女は私のことを許してくれるだろうか。許してくれれば嬉しいのだが。ずっと久しぶりに会うための口実を考えてるのだが、中々思いつかないでいる。で、こうしてずるずる今日まで引きずってしまった。本当は、こんな事を書いている場合でもない。我ながら情けない話である。